国民の生活や命よりオリンピックを優先する政府。本末転倒が酷すぎる!…という話

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多事藪論
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こんばんは
管理人の彰篠宮です。

今回は、6月11日に発表された、五輪・パラリンピック東京大会を予定通り開催した場合の、都内の新型コロナウイルス新規感染者が8月下旬に1日当たり約1,000人に増加する、との政府試算についてあれこれ書きたいと思います。

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三総研がこの夏の新型コロナウイルス新規感染者数を試算

6月11日、三菱総合研究所が政府からの委託を受け、この夏の新型コロナウイルスの新規感染者数を試算しました。
その試算の前提条件は

  • 6月以降、都内の人出が5%/週増加
  • 大会を開催する場合は、五輪時に10%、パラリンピック時に5%の人出増を加味(2019年ラグビーW杯時の人出の変化を元に設定)
  • 大会期間中、都内の競技会場を訪れる観客は、MAX22.5万人に達する(販売済みチケット400万枚が根拠)
  • ワクチン接種は5月末までの接種分のみを考慮

その試算結果は

  • 都内の新規感染者は7月中旬の約300人がボトム
  • 8/8の五輪開幕後に急増し、8月下旬に約1,000人/日に達する
  • 五輪を開催しない場合、8月下旬は約800人/日に留まる

と相成りました。
この組織委員会の試算の根拠とした観客数400万人は、販売済みチケット(全体の42%)が根拠になっており、6月7日に東京新聞が発表した310万人より若干多くなっています。東京新聞の試算は収容人数1万人以上の会場についてはMAX5,000人、収容人数1万人未満の会場は50%の人数で計算しているものです。

しかし、小生はこうした人数の算定基準には大きな穴があると考えます。それは、五輪の観客数=東京に出てくる人間ではないという事です。五輪の観客と一緒に出てくる人間が考慮されていないのは片手落ちと言わざるを得ません。
学校の夏休み期間なので、家族揃って上京し、ある者は五輪に、またある者は野球を見に、あるいは他の娯楽施設に行くといった感じの家族旅行を兼ねた五輪観戦は当然考えなくてはいけません。

となると、都内の人出が五輪の観客数以上に増加し、それが感染のさらなる増加に繋がることは容易に想像されます。まさに、五輪観戦の感染ツアーが全国で行われるのです。

この試算結果を見た、組織委員会の橋本聖子会長は記者会見で次の様にコメントをしました。

「数字は参考になる。この上で何ができるということを再度考える」

いやはやなんとも呑気な話です。

五輪観客「プロ野球並み」の基準ならば310万人 方針決まらず混乱の懸念(6月7日東京新聞)

五輪開催で感染者が急増、東京1日1000人に…政府が試算 パラリンピック開幕を直撃(6月11日東京新聞)

京都大学の西浦教授、この夏の新型コロナウィルス感染を予測。

”8割おじさん”として知られる西浦教授が、この夏の新型コロナウィルス感染者数を予測した結果を、6月9日に発表しています。
その試算の前提条件は

  • 6月21日に緊急事態宣言解除
  • 東京で大阪の第4波と同じレベルの感染拡大(実効再生産数1.71)
  • インド由来の変異ウイルス”Delta株”の影響は未加味
  • 東京五輪開催の影響も未加味

その試算結果は

  • 高齢者のワクチン接種が完了した場合でも、何も対策をうたなければ、医療崩壊が発生する。
  • 8月上旬に重症病床使用率が70%の状態で緊急事態宣言を発出した場合は、都内の重症患者数はMAX1,500〜2,000人/日の間に抑えられる。
  • 重症病床使用率が30%以下になるには、3ヶ月超の緊急事態宣言の継続が必要。
  • 7月末迄に高齢者接種率が90%以上になれば、来年1月の緊急事態宣言再発出は避けられる。

こちらの予測は、先述した三菱総合研究所の試算よりショッキングな内容です。しかも、この試算にはDelta株も五輪開催も加味されていないのです。

東京の実効再生産数は6月12日時点で0,92で、先般の大阪並の1.71まではまだ開きがありますが、東京のデータも5月21日の0,80をボトムにしてジリジリ上がってきています。決して油断が出来ない状態だと思います。
東京都のモニタリング会議でも人出が顕著に増加している旨が報告されており心配です

8月初めに再び緊急事態宣言レベルの感染拡大 8割おじさんこと西浦博さんが最新のシミュレーションを公開(6月9日BuzzFeed)

“人出増加が顕著 感染再拡大の危険性” 都モニタリング会議(6月13日NHK)

政府の施策は迷走中。

『テレワーク・デイズ2021』キャンペーンの発表

6月11日、総務省の武田良太大臣は、

 「東京オリンピック・パラリンピック競技大会を安全安心な大会とするため、7月19日から9月5日までテレワークの集中的な実施を呼びかける、『テレワーク・デイズ2021』を行います」

と宣言し、五輪開会式4日前のとなる7月19日からパラリンピックの閉会式の9月5日までの49日間を、テレワークの集中的な実施を民間などに求めるテレワーク・デイズを始めると発表しました。この期間は、特に選手や関係者などの移動が多いため、人と人との接触機会の抑制や交通混雑の緩和を目的とし、企業や官公庁にテレワークの実施を呼びかける、とのことです。
政府は、このキャンペーンへの参加目標を3,000団体としています。

 

この、施策に関しては国民からの不評を猛烈に買っています。

「オリンピックのためにテレワークしているように聞こえます。国民は怒りしか沸かない」

「単に民業圧迫で、迷惑なイベントでしかない」

「企業はテレワークで出社せず、オリンピックはパブリックビューイングで集まれ!って矛盾過ぎ」

「政府の言わんとすることは、『五輪は何が何でもやるから、その間、国民は政府の方針に従って、テレワークを始めとする外出自粛を』って話なんだな」

「全てはオリンピックファースト どれだけ国民に犠牲を強いれば気がすむのか?」

「だったら五輪やるな」

まぁ、新型コロナウイルス感染症が政府の無策で蔓延しているなか、国民の反対を押し切って世界最大規模のスポーツイベントを強行し、世界中から五輪貴族を招き税金で接待しながら、国民に対しては我慢を強いる政策を取るのではまさに本末転倒です。

テレワーク・デイズ、五輪パラ期間は集中的にテレワークを(6月11日TBSNEWS)

【東京五輪】政府が民間企業にテレワーク要請 ネット大荒れ「民業圧迫」「怒りしかない」(6月11日東スポWeb)

不吉すぎる49日のテレワーク・デイズ「まるで喪中」と批判も(6月13日Smart FLASH)

テレワーク推進の一方で学童動員。徒歩で競技場へ行軍せよ。

今年のゴールデンウィーク頃、東京都の学童81万人が東京オリンピック観戦に動員されると言うことが話題になりましたが、その計画は未だに撤回されておりません。しかし、この動員計画は、今回の総務省が発表した『テレワーク・デイズ2021』は人出を抑えるための呼びかけですが、学童を競技場に動員すると言う事とは真っ向から相反するものです。
まさに、政府の施策がバラバラで混迷を深めていると言えましょう。

さらに、この学徒動員には危険この上ない事態が待ち受けています。競技場に行く際には、バスをチャーターして競技場に乗りつけることは許されておらず、公共交通機関を使用する様に求められています。しかも最寄り駅で競技場の最寄り駅で降りるのではなく、少し離れた駅からの移動が求められています。

ただでさえ暑い東京の7〜8月、子供たちを何十人も屋外で長時間歩かせると言うのは熱中症予防の観点から到底容認できるものではありません。また屋内ではなく屋外での感染を強いられる競技場もあり、そうした場合は熱中症のリスクが一段と高まる事が想像されます。

同じく、観戦チケットを92,600枚割り当てられた埼玉県では、さいたま市、朝霞市、加須市は、確保したチケットをすべてキャンセルするとの決定を下しました。このほか、少なくとも8の自治体が、確保したチケットのうち、半数以上、または一部キャンセルすると回答し、3万5000枚以上がキャンセルされる見通しだそうです。

さいたま市の担当者は、

「子どもたちに感動を味わってもらおうと準備を進めていたが、様々なことが不確定なため、見合わせることにした」

越谷市の担当は

「子どもの安全を第一に考えた」

また、ある小学校の校長は

「専用のバス移動なら対策できるが、電車だと『密』を回避しきれない恐れがあり、断念せざるを得ない」

とキャンセルの事情を話しています。また、キャンセルを報告した多くの自治体が、新型コロナウイルスの感染状況だけでなく大会組織委員会の不確定要素の多さを指摘していまました。

この学童動員に関しては、熱中症のリスクがあるだけではなく、新型コロナウイルス感染症のリスクもあり、それらを有効に回避出来る見通しが立たない時は学校単位、地方自治体単位でどんどん参加を見合わせた方が良いと思います。

それでこそ、総務省のお達しにも沿えるというものではないでしょうか。

小中学生ら81万人を「動員」、拒否で欠席扱いは本当?東京五輪の観戦計画、東京都教委に聞いた(4月30日ハフポスト日本版)

「学校連携観戦チケット」半数以上キャンセル見込み/埼玉県(6月11日テレビ埼玉)

小中学生の五輪観戦、辞退次々 電車移動と密回避に不安(6月12日朝日新聞)

五輪そのものの安全性も脅かされている

6月11日五輪・パラリンピック東京大会組織委員会は、選手・関係者の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数の試算結果を発表しました。

  • 新規陽性者:MAX7.7人/日
  • 入院者数:ピーク時11.7人
  • 軽症や無症状での宿泊療養者数:MAX57人

試算条件は、ワクチン接種を反映しておらず、実際には選手は75-80%は接種をしているそうなので、選手に関しては安全である可能性が高いと思われます。

東京五輪・パラ “選手ら1日7人程度の感染確認 ”組織委が試算(6月12日NHK)

またも”ハッタリ男爵”がトンデモ発言!

ところが、ハッタリ男爵ことIOCのジョン・コーツ副会長がまたまた燃料を投下してくれたみたいです。

現在行われている日本のスポーツイベントは有観客であるので

「私も選手たちも観客を見たいと思う」

「日本政府が決めることだが、(観客数は)会場ごとに異なると思う。全て同じ割合ではないだろう」

五輪も当然有観客でやれよな!とばかりの物言いです。まぁ、無観客ではテレビの絵面も悪いでしょうからね。新型コロナウイルス感染症が全く落ち着いていない状況下で、国民の大半が五輪の開催すら望んでいないのに、開催を強行させ、しかも観客を入れろとは相変わらずの傲慢な発言だと思います。

しかし、コーツ副会長は、日本で行われた五輪のテスト大会は全て無観客で行われていることを知っているのでしょうか?観客を入れるテストは行われていないのです。

このコーツ副会長のゴリ押しが通用するのであれば、いにしえから言う様に、

無理が通れば道理が引っ込む

と言わねばならないでしょう。

IOCコーツ副会長「私も選手たちも観客見たい」、五輪会場別で上限の見解示す(6月12日スポニチアネックス)

〝はったり男爵〟IOCコーツ副会長が有観客を猛プッシュのKY発言(6月12日東スポWeb)

 

如何でしたか?

今回は、6月11日に発表された、五輪・パラリンピック東京大会を予定通り開催した場合の、都内の新型コロナウイルス新規感染者が8月下旬に1日当たり約1,000人に増加する、との政府試算について「国民の生活や命よりオリンピックを優先する政府。本末転倒が酷すぎる!…という話」と題して記事を書きました。

国民の安全安心を蔑ろにして、五輪を優先するのは可怪しいと思います。一日もはやく聖火リレー・五輪・パラリンピック東京大会を中止し、税金をこれ以上無駄に使い込むのを止めて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって困窮している人々を救うことを最優先して欲しいものです。

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城北の雑記林 by 彰篠宮

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