”尾身の乱”続々報、「尾身茂を黙らせろ」政府の傲慢な反応に呆れる…という話

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多事藪論
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こんばんは
管理人の彰篠宮です。

新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、6月2日に衆議院で「五輪開催、今の状況なら普通は無い」と発言し、そののち、日を追うごとに語気を強めています。今回は、その尾身会長の発言を受けての政府などの反応についてあれこれ書きたいと思います。

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尾身会長の発言採録。

尾身会長の最近の発言(6月3日まで)は前記事「”尾身の乱”続報、国内のみならず海外からも注目される…という話」でまとめておりますが、この記事で再度掲載します。既読の方は6月4日の発言に移動されて下さい(リンク先に飛べる様にしてあります)。

5月28日衆議院厚生労働委員会

質問:「東京五輪開催の妥当性を議論して欲しいが対応は?」

「(準備はしているが政府から)今のところはそういうお声がかかっていない」

質問:「このまま意見を求められなくて感染爆発が起こったら、分科会や尾身会長は職責は全うしたことになるのか?」

「(大会関係者に)私の考えは述べるということはあった」

「開催の是非を判断する立場にはないが、感染拡大と医療への負荷のリスクを客観的に述べることが責務だ」

6月1日参議院厚生労働委員会

社民党福島瑞穂氏との質疑で。

 「我々は五輪を開催するかどうかの判断はするべきでないし、資格もないし、するつもりはない。しかし仮に五輪を開催する決断をなされた場合、当然、開催に伴う国内の感染への影響があって、分科会は我が国の感染をどう下火にするか助言する立場にある」

「五輪をやれば、さらに(医療に)負荷がかかることがあり得るので、最終的な決断はそういうことも踏まえてやっていただきたい」

「(五輪開催で)東京株というものが出現して、世界に拡散するかどうかは分かりませんが、変異はコンスタントに起きている。感染者が多ければ多いほど、変異株が出現する遺伝子の塩基の配列が変わってくることはありうるので、なるべく感染の機会を減らすことが(必要)。東京株なんてあったら困ります」

6月2日衆議院厚生労働委員会

共産党の宮本徹氏との質疑で。

「今の状況で(五輪を)やるっていうのは普通はないわけですよね。このパンデミックで、そういう状況の中でやるということであれば、五輪の開催規模をできるだけ小さくして管理の体制をできるだけ強化するというのが、五輪を主催する人の義務だと思います」

「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」

「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力を得られるかが非常に重要な観点だ。なぜやるのかが明確になって初めて市民はそれならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になる。国がはっきりとしたビジョンと理由を述べることが重要だ」

6月2日衆議院内閣委員会

「オリンピックをやるのであれば、国や自治体、国民に任せるだけではなく、組織委員会も最大限の努力をするのは当然の責任だ」

「パブリックビューイングは、選手がメダルを取れば声を上げて喜びを表すこともあるし、その後にみんなで一杯飲もうということもあり得る。わざわざ(感染拡大の)リスクを高めることをやるのは一般市民には理解できにくいんじゃないのか」

6月3日参議院厚生労働委員会

「(専門家の)考え方を述べるのはわれわれの責任。然るべくところに考えを示す」

「アドバイザリーボードあるいは分科会でオリンピックを開くかどうかを我々が判断する立場にもないし、権限もない。この一年以上ずっと国内の感染について政府にアドバイスをする立場できている。オリンピックを開催すれば、それに伴って国内の感染あるいは医療の状況に必ず何らかの影響を及ぼす。こうした役割を担ってきた専門家としては、仮にオリンピック開催を決定した場合には、感染のリスクや医療ひっ迫への影響について評価するのは我々の責任だと思っている」

「オリンピック開催に伴う人々の流れが起きる可能性は極めて高いので、成功させるためにはオリンピック委員会の方にも最大限の努力をしてもらう。それが開催する人の責任だと思う。本来パンデミックの中で開催することは普通でない、それをやろうとするのであればかなり厳しい責任をオリンピック委員会も政府も負わないと、一般の市民はついてこないのではないか」

「(感染症が流行する中で五輪を開催する以上は)IOCも政府も強い覚悟でやってもらう必要がある」

「スタジアムの感染対策は組織委員会がプレーブックでしっかりやろうとしているのは間違いないが、(スタジアムの)なかだけを議論しても、ほとんど意味がない」

「(五輪関連の)ジャーナリストやスポンサーの行動をプレーブックで書かれているように順守してくれるかどうかについては、選手よりもより懸念がある」

「政府にアドバイスしてもIOCには届かない。どこに述べたらいいか、今検討している。五輪をやるならどういうリスクがあるか申し上げるのがわれわれの仕事だ」

6月4日衆議院厚生労働委員会

立憲民主党長妻昭委員との質疑で。

「緊急事態宣言の中でのオリンピックなんていうことを絶対に避けるということ。たったあと数ヶ月なんですよ。この間に何が何でもこのそういう状況、緊急事態宣言を出すような状況、ああいう状況を避けるための努力を今日からもう今までやってるわけで、さらに強くする必要があると思います」

「政府のほうは6月20日以降に決められているように私は仄聞してますので、そのあとだと言う意味がないですよね。だからなるべくそれより前に、我々の考えを何らかの形でお伝えできればいいというふうに考えてますけれど、まだ日にちは決まってません」

「人々が本当は外に出て飲んで、みんなと肩を組んで応援したい。一生懸命、自粛しているところにお祭りという雰囲気が出た瞬間をテレビで見て人々がどう思うか」

立憲民主党山井和則委員との質疑で。

 「(五輪のリスクに関する意見の表明方法について)受ける側の方の立場もある。話したくないということになるかも、あなたの意見なら受けても、少なくても聞くことができる(となるかもしれない)。相手と話をしなければいけないので、最も合理的な方法は何かということを検討している」

「やるんであれば、こういうことをやってくださいというのは当然。それについて政府、組織委員会は当然、合理的な判断をしてくれると期待している」

東京五輪、6月20日より前に専門家が見解と分科会の尾身会長(6月4日ロイター)

尾身氏“観客上限決定前”専門家提言発表へ(6月4日日テレNEWS)

尾身会長 “宣言中”の五輪開催は「絶対に避けるべき」との認識(6月4日TBSNEWS)

尾身会長「自粛している所にお祭りの雰囲気をテレビで見てどう思うか」(6月4日日刊スポーツ)

尾身会長「判断できる立場にはない」野党から五輪開催可否を集中質疑(6月4日日刊スポーツ)

尾身会長が五輪開催巡る緊急提言 政府決定前に「我々の考え伝えたい」(6月4日日刊スポーツ) 

尾身会長、目立つ「強い発言」 この3週間の変遷たどる(6月4日朝日新聞)

政府の反発がエグい

「いったい何のために(五輪を)やるのか目的が明らかになっていない」という発言に対して

菅首相の反応

「世界最大の平和の祭典であり、国際的な相互理解や友好関係を増進させるものだ。安全、安心な大会を実現することにより、希望と勇気を世界中にお届けできるものと考えている」

5月24日に行われた世界保健総会の開会式で国連のアントニオ・グテーレス事務総長が

「我々には戦時体制が必要だ」
「我々はウイルスと戦争をしているんだ。戦時体制の論理と緊急性が必要だ」

と演説しており、既に「平和の祭典」を開ける状況にはないという認識すらない様です。

菅首相、五輪「希望と勇気届ける」(6月4日時事通信)

丸川珠代五輪担当相の反応

「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言っても、なかなか通じづらいというのが私の実感です」

「(感染対策の)一つ一つの積み重ねが、本格的に社会を動かしていくときの知見になると確信している。どのように社会を動かしていけるかをシェアできたら安心安全につながり、次のステップへ進んでいけたらという思い」

新型コロナウイルス感染症が蔓延しているから東京五輪開催への警鐘を鳴らしているのに、「スポーツの力」と言われてもねぇ。「スポーツの力」によって疫病が退散するとでも言うのでしょうか。丸川大臣はいつも意味不明な発言を繰り返していますが、今回の発言も酷いと思います。

丸川五輪相「通じづらいというのが私の実感」尾身会長発言に見解(6月4日日刊スポーツ)

五輪開催「社会動かす知見に」 丸川五輪相(6月4日時事通信)

東京五輪 丸川氏、立場の違い強調 尾身氏の「何のため」発言に(6月4日毎日新聞)

五輪開催のリスクへの一連の発言に対して

菅義偉首相の反応

6月2日、菅首相は、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「(五輪開催は)今の状況で普通はない」などと発言したことについて記者から質問を受け、次の様に答えています。

「専門家の方々の『感染対策をしっかりやるべきだ』というご意見ではないか。しっかり対応していきたい」

「(五輪は)まさに平和の祭典。一流のアスリートが東京に集まり、スポーツの力を世界に発信する意義がある。そのための安心安全の対策をしっかり講じたい」

相変わらずの「安心安全」の一点張りで、五輪を強行開催することに意欲をみなぎらせています。

首相「感染対策しっかりという意見」 尾身会長の五輪巡る発言に(6月3日毎日新聞)

しかし、これ以降は尾身会長の発言に対する目立った反応はありません。しかしながら、政府関係者によると、以下の発言があるそうです。

「黙らせろ。専門家の立場を踏み越え勘違いしている。首相にでもなったつもりなんじゃないか」

「(田村厚労相に)専門家に引っ張られるな」

「今回の尾身発言で東京五輪・パラ中止という世論の流れにならないか、心配だ」

「これ以上、厳しい意見が続くと分科会を開かせない」

「野球もサッカーも、クラスターは出てないじゃないか」

「専門性ある意見を聞くためであって、五輪開催はこっちで決めるんだ」

”飼っている御用学者に手を噛まれた”感が強く、苛立ちが見られます。

「黙らせろ」尾身会長の”謀反”に菅首相が激怒 意地の張り合いで権力闘争が激化 〈dot.〉(6月4日AERAdot1/2)

「黙らせろ」尾身会長の”謀反”に菅首相が激怒 意地の張り合いで権力闘争が激化 〈dot.〉(6月4日AERAdot2/2)

五輪開催判断を巡り、菅首相は分科会に意見を聞くか 言及を避け続け、問答はかみ合わず(6月4日京都新聞)

田村憲久厚生労働相(6月4日閣議後記者会見)の反応

「参考にするものは取り込んでいくが、自主的な研究成果の発表だと受け止める」

政府が新型コロナウイルス感染症の対策を誤ってきたために、日本国内は未だに毎日何千人もの感染者が発生している状況であるのに何たる傲慢な言い分でしょうか。

尾身氏、五輪で地域のリスク指摘 「自主的な研究の発表」と厚労相(6月4日共同通信)

田村厚労相が尾身茂会長の提言を「自主的研究」と発言 SNS上で批判も(6月4日日刊スポーツ)

東京都の小池百合子知事は

小池百合子都知事は6月4日の定例記者会見で次の様に述べています。

「尾身会長のさまざまな場でのご発言、きのうは国会なんでしょうか。報道で承知をいたしております。

この大会開催に当たっては、来日人数の削減の徹底、行動管理、健康管理の徹底、そして医療体制見直しの徹底と、これは組織委員会の橋本会長もおっしゃった3徹、3つを徹底するんだということで対策の具体化を進めているところであります。

それから選手や関係者が守るべきプレイブックについては、これからのテストイベントも、また、これまでも開かれておりますけど、最新の知見を踏まえてさらにブラッシュアップをしていくということ。

それから最近、尾身会長は急所という言葉よりも人流という言葉をよくお使いになるんですけれども、これは重要な観点だと考えておりまして、不要不急の外出の自粛やテレワークの推進、さっきも8時だよ、みんな帰ろうということなども含めて、それからTDM、工事調整などの取り組みを実施しております。これはコロナがあろうがなかろうが、TDM、スムーズビズっていうのは前からロードプライシング、それから祝祭日をががっと変えるなど、すでにいろんな、それこそ人流、直接関わることについてはもうすでにシステムとして取り入れているわけであります。

こういったことは大会を開催する都市においては、大会のときにだいたい、基本的にそういうことで呼び掛けもし、例えばロンドン大会のときにはこれらの呼び掛けによって住民の35%が大会時の平日の行動変容をすでに起こしたという、そういうこれまでも知見がございます。これからも専門家のご意見を伺いながら国、これには東京iCDCも入るということですけれども、国、組織委員会、効果的な対策について検討を行って、安全・安心な大会に向けての着実な準備ということを進めてまいります。

また、同日の定例記者会見ではパブリックビューイングについてのコメントもありました。

「ライブサイトというのは東京のほかにも全国にもある、予定しているわけでありますけれども、これらについては組織委員会が実施に当たってのガイドラインを作成しているわけでありまして、今後のコロナの状況や大会の観客がどうなるのか、国内の他のイベントの状況はどうなるのか、こういったことも踏まえて、組織委員会のガイドラインを踏まえての準備、調整ということになります。」

どちらもいつもどおり「安全安心な大会に向けての着実な準備を進めていく」と、淡々としたコメントだと思います。

小池都知事が定例会見6月4日(全文2完)大規模接種会場、都内5カ所に設置へ(6月4日Yahoo!ニュース1/4)

小池都知事が定例会見6月4日(全文2完)大規模接種会場、都内5カ所に設置へ(6月4日Yahoo!ニュース2/4)

小池都知事、尾身会長の五輪開催〝警告〟「安心安全な大会に向けて準備」(6月4日サンケイスポーツ)

小池都知事、尾身会長の五輪開催“普通はない”発言に「安全安心な大会に向けて着実な準備進める」(6月4日スポーツ報知)

「安全安心な大会に向けての着実な準備を進めていく」(6月4日時事通信)

組織委員会の橋本聖子会長は

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は6月4日の記者会見で

「尾身会長の発言は非常に重要であり、そして組織委としても受け止めなければならない。より簡素化、そして最適化に向けて一層の努力をしていかないと、みなさんにご理解をいただけないと思っている」

「困難な状況だからこそ、どのような対策を講ずれば、開催できるのかを示せれば、今後の日本に世界の観光客を受け入れることに向けて、大きな前進がみられることになる。大きな意味がある。世界共通の課題を東京五輪がどのように乗り越えていくかも、(五輪)を開催することでとして残していくことも重要な役割だと思う」

「私たちも五輪は、違った視点で考えていくべき物と考えている」
「(政府示した基準)厳格なルールの下で検査をさせていただいている。やるべきことはしっかりやって、これ以上ない感染症対策はしている」
「どんなに努力しても抑えられない人流の中で起こるであろう感染の拡大は、医科学的な知見を基に示していかないとご理解いただけない。政府、都、何よりも専門家のご意見、ご指摘は重要だと思っているので、その点を含めて考えていきたい」

五輪開催の意義について

「スポーツの枠を超えた大きなコンテンツになる。日本の素晴らしい科学技術を世界に発信する最高の機会にもなる」

「世界が困難に直面する中での大きな前進は、大会の意義や価値だ」

と述べています。

橋本会長「乗り越える姿示すのが使命」「スポーツは大きな産業」尾身氏の発言に言及(6月4日デイリースポーツ)

【東京五輪】橋本聖子会長 尾身発言に言及「どのように乗り越えていくかも重要な役割」(6月4日東スポWeb)

橋本聖子会長「どのように乗り越えるか、開催でレガシー残す」 尾身会長の指摘に(6月4日スポニチアネックス)

五輪・橋本会長、科学的知見から人流抑制策など示す方針-コロナ対策(6月4日Bloomberg)

「コロナ禍乗り越える姿」が使命 尾身氏発言に橋本組織委会長―東京五輪(6月4日時事通信)

五輪最適化へ一層努力と橋本会長 尾身氏の発言受け(6月4日共同通信)

橋本聖子組織委会長 尾身氏発言「重く受け止める」簡素化、最適化への努力を強調(6月4日スポーツ報知)

 

如何でしたか?

今回は、その尾身会長の発言を受けての政府などの反応について「”尾身の乱”続々報、「尾身茂を黙らせろ」政府の傲慢な反応に呆れる…という話」と題して記事を書きました。

この1年余り、尾身茂氏のやってきたことを考えると今回の”尾身の乱”は氏の保身のためなのでは?という疑念が常につきまといますが、当面は注視したいと思います。

国民の安全安心を蔑ろにして、五輪を優先するのは可怪しいと思います。一日もはやく聖火リレー・五輪・パラリンピック東京大会を中止し、税金をこれ以上無駄に使い込むのを止めて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって困窮している人々を救うことを最優先して欲しいものです。

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