「五輪協賛会」の新聞6社の絶望的見解、その一方で気を吐く地方紙もある…という話

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こんばんは
管理人の彰篠宮です。

今回は、5月23日に、信濃毎日新聞が社説にて「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」と提言した事についてあれこれ書きたいと思います。

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コーツ調整委員長談話の記事に関して

5月22日にIOCと東京五輪組織委員会との合同記者会見において、「大会開催中に東京に緊急事態宣言が出されたら、開催するのか?」との記者からの質問に対し、IOC調整委員長のジョン・コーツ氏が

「答えはイエスだ。」

と回答したという話を昨日の記事『”はったり男爵”ことIOCのジョン・コーツ調整委員長曰く、「東京五輪、緊急事態宣言下でも開催」…という話』に書きましたが、その発言の実態はもっと酷いものでした。

その元々の発言中の、この部分は以下の通りです。

”So the answer is absolutely yes.”

つまり

 「答えは絶対にイエスだ。」

です。

‘Absolutely Yes’: Games Will Go On Even in State of Emergency, I.O.C. Says(5月22日The New York Times)

国内新の記事にある文言と、ニューヨーク・タイムズ紙のそれとでは随分と印象に差があることは否めません。何故、国内紙はこの様な腑抜け記事を書くのでしょうか?

それは、国内の新聞社の一部が五輪の協賛企業として取り込まれて居ることが無関係ではありません。それを表す面白いデータが週刊ポストで発表されています。

五輪開催の是非を問う質問に五輪協賛新聞社6社が回答したその中身

週刊ポスト誌(小学館)は五輪・パラリンピック東京大会のスポンサー71社に以下の設問のアンケートを行いました。

  1. 7月開催に賛成か
  2. 開催の場合は無観客にすべきと思うか
  3. 有観客で開催の場合、社員に会場での観戦を推奨するか

国内新聞大手の「読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞」の4社と地方紙「産業経済新聞・北海道新聞」の2社は五輪の協賛企業に名を連ねています。この様に、メディアが五輪のスポンサーに成ったことは無かったらしいのですが、東京大会では大手新聞社がこぞってスポンサーに成っています。こうした現状では五輪に対して厳しい論調など生まれるはずもありません。自らの金儲けの手づるとなるイベントを批判出来ませんものねぇ。

また、読売・朝日・毎日・産経ときたら国内のテレビ・ラジオの民法部分の大部分を抑えられてしまうので、新聞、テレビ、ラジオは事実上の骨抜き状態です。

上記新聞6社の答えは次の通りです。

読売新聞「当社は『安全な大会の実現に万全を尽くすことが大切だ』と社説で繰り返し述べています。」

朝日新聞「お答えをいたしかねます」

毎日新聞「選手やスタッフ、観客の安全が確保される一方で、医療体制に悪影響を与えることがあってはならない。」

日経新聞「お答えはしません」

産経新聞「回答は差し控えさせていただきたいと存じます」

北海道新聞「ご回答を控えさせていただきます」

4社が回答せず、2社は腰砕けの不明確な回答という有様です。6社ともまともに答えていないのです。

こうした新聞社の姿勢が、やはり書かれた記事の一言一言に映し出されてしまう様な気がします。でも、日本国内には五輪翼賛会に属さない地方紙もあり、5月23日にも骨のある地方紙が五輪中止を社説で訴えています。

信毎「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」

信濃毎日新聞は非常に歴史のある新聞で、1873(明治6)年の創刊です。日本の新聞は1870(明治3)年に横浜毎日新聞が創刊されたのが始まりです。その後、東京日日新聞・郵便報知新聞・朝野新聞などが続いて次々と創刊され、信濃毎日新聞そうした日本の新聞社の最初期から活動を続けているのです。ちなみに、現在発行部数トップの読売新聞は1874(明治7)年創刊、発行部数第2位の朝日新聞は1879(明治12)年創刊なので、信濃毎日新聞より後発なんですねぇ。

で、この信濃毎日新聞(以下「信毎」と略します)が5月23日の社説で「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」と訴えています(この1行上にある青文字の「信濃毎日新聞」に、信毎Webへのリンクを貼り付けてあります)。

東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ(5月23日信濃毎日新聞)

そこには冒頭で

 7月23日の五輪開幕までに、感染状況が落ち着いたとしても、持てる資源は次の波への備えに充てなければならない。

東京五輪・パラリンピックの両大会は中止すべきだ。

と明確に訴え、その後、論拠が書かれています。国内外の状況を俯瞰した非常にまともな意見だなと思いました。是非ご一読下さい。

2021年5月の共同通信調査では国内世論の6割近くが、東京五輪の開催に反対しており信毎の社説も大いに受け入れられるでしょうが、IOCは相変わらず五輪開催の一点張りです。

コーツ氏の発言、IOCバッハ会長も強烈に後押し

5月22日、IOC会長のトーマス・バッハ氏が国際ホッケー連盟のオンライン総会での声明で以下の様に述べています。

「東京がようやく間近に迫った今、最後のカウントダウンが始まった。この困難な時期に、私たちはリカバリー、団結、多様性について、強いメッセージを送る必要があります。東京はトンネルの終わりに光を放つだろう」

「五輪の夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない。アスリートは間違いなく彼らの五輪の夢を実現することができます」

日本に於ける新型コロナウイルス感染症に因る死者数は、世界的に見れば「さざ波」と言った輩が居ますが、それでも2021年5月21日時点の7日間平均で113名/日が命を落としています。これは、2020年(1〜12月)の交通事故死者数2,839人と比べても非常に多いと思います。交通事故で亡くなる人は7.75人/日で、コロナ由来の死者数はその14.56倍です。

それだけの死者が出ているのに「いくらかの犠牲」とは何とも炎上確実なネタだと思います。

バッハ会長も五輪予定通り開催強調「最後のカウントダウン」コーツ氏発言を“後押し”(5月22日dデイリースポーツ)

実は、もう一つIOCバッハ会長絡みで炎上必死のニュースがあります。それは、都内の有名ホテルの部屋に泊まってもIOC負担上限は4万円で、不足分は組織委員会が負担する…という記事です。

この記事によると、

東京都は大会期間中に「The Okura Tokyo」「ANAインターコンチネンタル」「ザ・プリンス パークタワー東京」「グランドハイアット東京」の4ホテルの全室を貸し切って、IOC関係者に提供することを保証しているそうです。

それらのホテルの中で宿泊費が最も高額なのは「The Okura Tokyo」の広さ720㎡を持つスイートルームで、お値段は1泊300万円です。そうした部屋でもIOC負担額の上限は400ドル(約4万4,000円)/泊までで、差額は組織委が負担することになっているそうです。

組織委員会は既に大赤字なので、結局負担の原資は国民の税金です。

そうした宿泊関係のみならず、大会関係者&選手の移動は「新幹線1両貸し切り」「航空機はチャータ」などの取り決めがコロナウイルス感染症対策の名のもとに行われており、費用がワガママ勝手に追加され放題な状況です。

IOC幹部の特権 1泊300万円の宿に4万円で宿泊、差額は組織委が負担(5月21日NEWSポストセブン)

 

如何でしたか?

今回は、5月23日に、信濃毎日新聞が社説にて「東京五輪・パラ大会 政府は中止を決断せよ」と提言した事について「『五輪協賛会』の新聞6社の絶望的見解、その一方で気を吐く地方紙もある…という話」と題して記事を書きました。政府などの大きな権力を持つものが相手であっても、間違っているものは間違っている!と言えなくなってしまったマスコミって何の存在意義があるのかしら?と思います。

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