四者四様の無責任さ。互いに責任を押し付け合う醜悪五輪。開催へまっしぐら…という話

多事藪論
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こんばんは
管理人の彰篠宮です。

今回は、6月7日の参議院決算委員会で菅首相が菅首相は「私自身は主催者ではない。と答弁したことについて、これまでの五輪関係者の発言を振り返りつつあれこれ書きたいと思います。

菅首相の答弁。

菅義偉首相は6月7日の参議院決算委員会で立憲民主党の水岡俊一委員からの「首相は東京大会を開催する▽中止する▽延期する――の三つの選択肢を持っているのか?」と東京五輪の開催判断に関する質問に対し、

「私自身は主催者ではありません。東京都、組織委員会、IOCなどによって最終協議されるわけですが、私自身はわが国の国民の安心、安全を守る、そうした使命があると考えている」

と答弁しました。

それまで、安心安全…と念仏の様に唱えるきりだった菅首相が、開催に対する判断を自らすることを避け、それを東京都・組織委員会・IOCに押し付ける答弁を行ったのです。
ネット上では(当然と言えば当然ですが)菅首相に対し「無責任」と批判があふれれかえりました。

まぁ、主催者ではないのは契約上はそのとおりです。しかし、この東京五輪に関しては、国民・都民の税金が2兆円以上も投入されており、また、その開催に固執し続ける限り今後も更に支出が増えるという状況にあることから、資金面の後ろ盾となっている日本国の宰相が「私は主催者ではない」としらばっくれるのはやはり無責任と言わざるを得ません。国民に対する重大な背信行為と言えましょう。

菅首相「私は主催者でない」 五輪の開催判断問われ答弁(6月7日朝日新聞)

菅首相「私は主催者じゃない」五輪開催巡る発言にネットも紛糾「無責任すぎ」「コレを繰り返す作戦だろうか」(6月7日中日新聞)

では、その他の東京五輪開催について大きな影響力のある当事者の発言を振り返ってみましょう。

IOC:「Covidへの対処は日本政府、東京都の責任」

IOCのジョン・コーツ副会長は4月14日、この様に語っています。

これは、株式会社文藝春秋が運営する「Sports Graphic Number」のWeb版Number Webの記事
「IOC重鎮に本音を聞いた「五輪は開催する」けど「感染拡大なら日本に責任」… 埋まらない世論との溝、海外メディアも悲観的なまま」から抜粋したものです。

この記事のスポーツライターの長谷部亮太氏のものです。

長谷部氏はコーツ委員長に次のように尋ねています。

「五輪期間中や大会後に日本で感染が拡大したら、誰が責任を取るのか」

それに対するコーツ委員長の回答は以下のものでした。

「大会前後や大会中のCovid(新型コロナ)への対処は日本政府の責任であり、程度は下がるが東京都の責任になる。IOCとしては、感染拡大や日本国民と(選手ら)の接触を最小限に抑えるため、政府や東京都、大会組織委員会との合意の上で可能な限りのことをやっている。その部分には責任がある」

IOCがコロナ禍における五輪・パラリンピック開催を日本に対して強要しても、それに伴って感染拡大したとしても日本側の責任な!と言い放ち、相手方の当事者に責任をなすりつけてしまっています。

IOC:選手には「コロナで死亡でも自己責任な…」

IOCのトーマス・バッハ会長は「最も周到に準備している開催都市である東京に全幅の信頼を持って来てほしい。」と言う一方で、IOCが東京五輪の参加選手らに対し、

新型コロナウイルスや猛暑による「健康被害」のリスクは自己責任

とする同意書の提出を義務付けていることが5月28日に判明しました。

同意書とは、五輪憲章や反ドーピングなどのルール順守を署名付きで誓約させる書類です。
今回の東京大会については、上記の一般的な内容に加え

  • 1.コロナやその他の感染症、猛暑により健康被害や死亡に至る可能性がある
  • 2.リスクを軽減する具体的な対策を取る

などに同意を求めています。

その内容について、IOCのハダッド最高執行責任者は改訂の事実を明かした上で、次の様に述べて自己責任を強調しています。

「どの政府も保健当局も感染症について保証はできない。我々全員が負うべきリスク」

しかしながら、直近の夏冬6大会で「健康被害・死亡」が記載された同意書はないそうです。

一方で、「東京に全幅の信頼」「安全・安心な大会」と言うのみで、実際に選手が直面するリスクについて十分に言及せず、他方で選手に自己責任で参加することを求めるのは何とも無責任な話です。

このようにIOCは日本にも、選手にもコロナ禍における五輪開催のリスクについての責任をなすりつけたワケです。

組織委員会:我々はただのイベンターでしかない

五輪・パラリンピック東京大会組織委員会の橋本聖子会長が6月4日、都内で行われた定例会見で海外メディアからの「コロナの状況に関わらず、7月23日に開幕するのか」質問に対して以下の様に答えています。

「組織委員会は大会を開催するために委託をされ、準備をしている団体。全力でご理解をいただけるようにコロナ対策を万全にして、大会の開催に向けて努力している」

この様に、組織委員会は開催を委託されたイベンターである、と述べています。さらに

「”100%か”という質問が何度も来ているが、海外からの選手団が誰も来られない時も開催するかというと、それは当然できない。日々刻々と変わるこの世界の中でのコロナ感染症の状況を見ながら適切に決めていかないといけない」

「”100%”の開催ができるよう準備をしていくのが組織委の使命。ただ、それをやっていてもIOCや政府、東京都が難しいという判断を下せば、それはそれで応えていかないといけないのも、私たちの使命。組織委としては今、万全の体制で準備をしていくことに尽きる」

100%と勇ましいことを言うものの、組織委員会は開催を委託されているだけ。開催の可否判断はIOCや日本政府・東京都で決めてね!ということで責任回避をした事が判ってしまいました。

【東京五輪】橋本聖子会長 海外からツッコミも「100%開催へ準備するのが組織委の使命」(6月4日東スポWeb)

橋本会長が中止条件言及「IOCや政府、東京都が難しいという判断下せば」(6月4日日刊スポーツ)

橋本聖子会長 海外メディアの疑問に「100%の開催ができるように準備するのが使命」(6月4日スポニチアネックス)

小池都知事は呆けて「8時だヨ! 全員かえろう」

東京都の小池百合子知事は6月4日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症対策の新たな一手として「8時だヨ! 全員かえろう」キャンペーンを公表しました。この記事のアイキャッチ画像がその会見の時の小池都知事です。

このキャンペーンは平日夜間の人流抑制を促すことを目的としているそうで…

  • 職場からかえる
  • お店からかえる
  • 寄り道せずかえる
  • ウチで気分をかえる

の4つの場面を想定しているのですが、この8時を契機に人が動き出したら密な状態が生まれると思うのですけどねぇ。ポスターは下の2枚のものが作られたそうです。

「8時だヨ! 全員かえろう」「カエルシリーズ」夜間の人出減へ 小池知事(6月4日日刊スポーツ)

なんだか金を使う割には、全く気合が入って居ない「心ここにあらず」状態の小池都知事、当事者意識が希薄なのか、投げやりなのか…何を考えているのか分かりません。

 

東京五輪の開催まですでに残り50日を切っています。IOC・組織委員会・菅首相が自らが責任の主体で無いことを表明して、責任回避を図っています。残る小池都知事が現時点では目立った発言はありません。
一体どうなるのでしょうか?

“泥舟”五輪強行で責任の「なすり合い」がついに始まった(6月7日日刊ゲンダイ)

東京五輪、中止の決定権は誰の手に?(6月9日ウォール・ストリート・ジャーナル)

 

如何でしたか?

今回は、6月に入って橋本聖子組織委員会会長・菅義偉首相が相次いで五輪に対して責任性のある関与を否定する発言を行っているので、この何ヶ月かの関係者の対応について「四者四様の無責任さ。互いに責任を押し付け合う醜悪五輪。開催へまっしぐら…という話」と題して記事を書きました。

国民の安全安心を蔑ろにして、五輪を優先するのは可怪しいと思います。一日もはやく聖火リレー・五輪・パラリンピック東京大会を中止し、税金をこれ以上無駄に使い込むのを止めて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって困窮している人々を救うことを最優先して欲しいものです。

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