”尾身の乱”続報、国内のみならず海外からも注目される…という話

多事藪論
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こんばんは
管理人の彰篠宮です。

今回は、6月2日に衆議院で分科会の尾身茂会長が、「五輪開催、今の状況なら普通は無い」と発言した後の国内外の動きについて、前記事「”尾身の乱”遂に勃発か。「我々の考え、然るべくところに示す」五輪強行に物申す…という話」の続報としてあれこれ書きたいと思います。

尾身会長の発言採録。

分科会尾身茂会長の、ここ1週間ほどの発言をおさらいしておきましょう。

5月28日衆議院厚生労働委員会

質問:「東京五輪開催の妥当性を議論して欲しいが対応は?」

「(準備はしているが政府から)今のところはそういうお声がかかっていない」

質問:「このまま意見を求められなくて感染爆発が起こったら、分科会や尾身会長は職責は全うしたことになるのか?」

「(大会関係者に)私の考えは述べるということはあった」

「開催の是非を判断する立場にはないが、感染拡大と医療への負荷のリスクを客観的に述べることが責務だ」

6月1日参議院厚生労働委員会

社民党福島瑞穂氏との質疑で。

 「我々は五輪を開催するかどうかの判断はするべきでないし、資格もないし、するつもりはない。しかし仮に五輪を開催する決断をなされた場合、当然、開催に伴う国内の感染への影響があって、分科会は我が国の感染をどう下火にするか助言する立場にある」

「五輪をやれば、さらに(医療に)負荷がかかることがあり得るので、最終的な決断はそういうことも踏まえてやっていただきたい」

「(五輪開催で)東京株というものが出現して、世界に拡散するかどうかは分かりませんが、変異はコンスタントに起きている。感染者が多ければ多いほど、変異株が出現する遺伝子の塩基の配列が変わってくることはありうるので、なるべく感染の機会を減らすことが(必要)。東京株なんてあったら困ります」

6月2日衆議院厚生労働委員会

共産党の宮本徹氏との質疑で。

「今の状況で(五輪を)やるっていうのは普通はないわけですよね。このパンデミックで、そういう状況の中でやるということであれば、五輪の開催規模をできるだけ小さくして管理の体制をできるだけ強化するというのが、五輪を主催する人の義務だと思います」

「こういう状況の中でいったい何のためにやるのか目的が明らかになっていない」

「感染リスクを最小化することはオーガナイザー(開催者)の責任。人々の協力を得られるかが非常に重要な観点だ。なぜやるのかが明確になって初めて市民はそれならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になる。国がはっきりとしたビジョンと理由を述べることが重要だ」

6月2日衆議院内閣委員会

「オリンピックをやるのであれば、国や自治体、国民に任せるだけではなく、組織委員会も最大限の努力をするのは当然の責任だ」

「パブリックビューイングは、選手がメダルを取れば声を上げて喜びを表すこともあるし、その後にみんなで一杯飲もうということもあり得る。わざわざ(感染拡大の)リスクを高めることをやるのは一般市民には理解できにくいんじゃないのか」

6月3日参議院厚生労働委員会

「(専門家の)考え方を述べるのはわれわれの責任。然るべくところに考えを示す」

「アドバイザリーボードあるいは分科会でオリンピックを開くかどうかを我々が判断する立場にもないし、権限もない。この一年以上ずっと国内の感染について政府にアドバイスをする立場できている。オリンピックを開催すれば、それに伴って国内の感染あるいは医療の状況に必ず何らかの影響を及ぼす。こうした役割を担ってきた専門家としては、仮にオリンピック開催を決定した場合には、感染のリスクや医療ひっ迫への影響について評価するのは我々の責任だと思っている」

「オリンピック開催に伴う人々の流れが起きる可能性は極めて高いので、成功させるためにはオリンピック委員会の方にも最大限の努力をしてもらう。それが開催する人の責任だと思う。本来パンデミックの中で開催することは普通でない、それをやろうとするのであればかなり厳しい責任をオリンピック委員会も政府も負わないと、一般の市民はついてこないのではないか」

「(感染症が流行する中で五輪を開催する以上は)IOCも政府も強い覚悟でやってもらう必要がある」

「スタジアムの感染対策は組織委員会がプレーブックでしっかりやろうとしているのは間違いないが、(スタジアムの)なかだけを議論しても、ほとんど意味がない」

「(五輪関連の)ジャーナリストやスポンサーの行動をプレーブックで書かれているように順守してくれるかどうかについては、選手よりもより懸念がある」

「政府にアドバイスしてもIOCには届かない。どこに述べたらいいか、今検討している。五輪をやるならどういうリスクがあるか申し上げるのがわれわれの仕事だ」

このように、日を追うごとに東京五倫を開催する際のリスクについて、だんだん踏み込んだ発言が見られるようになってきています。

尾身茂氏が新型コロナウィルス感染症の対策関連の業務で、我々の目の前に現れてからの言動を思い起こしますと、今回の一連の発言も尾身氏自身の保身のためではないか?と勘ぐりたくなる気持ちもあります。
しかしながら、当面はこの動きを注視していきたいと思います。

東京五輪で「途上国にウイルスわたる可能性」 尾身会長が指摘(6月3日毎日新聞)

「パンデミックで五輪、普通でない」 尾身氏、IOCに提言検討(6月3日毎日新聞)

五輪「開催ありき」に尾身会長がくぎを刺す理由 海外のメディア、スポンサーの行動に不安(6月3日東京新聞)

尾身氏の発言に対する国内外の反応。

政府談話(菅首相・加藤官房長官)

6月2日、菅首相は、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「(五輪開催は)今の状況で普通はない」などと発言したことについて記者から質問を受け、次の様に答えています。

「専門家の方々の『感染対策をしっかりやるべきだ』というご意見ではないか。しっかり対応していきたい」

「(五輪は)まさに平和の祭典。一流のアスリートが東京に集まり、スポーツの力を世界に発信する意義がある。そのための安心安全の対策をしっかり講じたい」

加藤官房長官も6月3日の記者会見で、尾身会長の発言についての質問に対して次の様に回答しました。

「国民に安心して東京大会を迎えてもらえるよう、感染対策徹底と同時に丁寧な説明が重要だ」

「感染対策を徹底し、丁寧に説明していくことが重要だ。政府として大会準備に向け、しっかり取り組んでいきたい」

相変わらずの「安心安全」の一点張りで、五輪を強行開催することに意欲をみなぎらせています。

首相「感染対策しっかりという意見」 尾身会長の五輪巡る発言に(6月3日毎日新聞)

政界談話

1.与党談話

自民党幹部は不快感を滲ませ

「(尾身氏は)言葉が過ぎる。それを言える立場ではない」

「(首相は五輪を)やると言っている。それ以上でも以下でもない」

とコメントしました。
また、公明党の北側中央幹事会長は、冷静に受け止めて

「ご指摘はその通り。菅首相は国民に改めて、なぜ五輪を開催するのか、説明をしっかりやってもらいたい」

とコメントしています。これは、何のタシにもならない様な当たり障りのない発言だと思います。
同じ与党でも、菅首相が居る自民党と、公明党とでは受け止めに温度差があるのは否めません。

2.野党談話

立憲民主党の安住国対委員長は6月3日の党会合で

「良心に基づいた発言だ。歓迎する」と表明。国民民主党の玉木雄一郎代表も記者会見で「科学に基づく客観的な判断を誠実に国会で答弁した」

と発言しました。
共産党の志位委員長は6月3日の会見で、

「大変重要な発言だ。一番肝心な問題を明らかにしないまま開催に突っ込む。目をつぶったまま国民を断崖から突き落とすようなやり方は容認できない」

と、政府が感染リスクを説明していないと指摘し厳しく批判しました。
国民民主党の玉木代表は

「学者として、科学に基づく客観的な判断だ」

「専門家からみれば、感染拡大の可能性が高いなかで(五輪を)開くことは考えられないのは当然だ」

「政府と組織委員会は、安全で安心な五輪が可能なのか、今からでも速やかに検証すべきだ」

と述べました。

野党は概ね尾身会長の発言を良く評価しています。

尾身氏「五輪」発言、野党は賛同 与党、首相の説明要求も(6月3日時事通信)

尾身氏「普通はない」発言、自民幹部反発「言葉過ぎる」(6月3日朝日新聞)

国民・玉木氏、尾身氏は「科学者として誠実に答弁」(6月3日朝日新聞)

3.ゆ党談話

ネットニュースでは、ゆ党=日本維新の会からの尾身会長の見解に対する発言は見いだせませんでした。

経済界談話

経済同友会桜田代表幹事は

「開催には数値目標は必要だ。感染の指標が良くならない。(ワクチン1日)100万回も実施できないと言うことであれば、残念ながら諦めるしかないと言うのは合理的な判断だろうと。国民の祭典、世界の祭典では説明がつかなくなるなと。」

と述べて、開催の前提となる数値に基づく判断が望ましいと述べています。

”普通はない”コロナ禍の五輪 「提言」へ(6月3日日テレNEWS24)

海外から

井津川倫子(いつかわりんこ)女史の書かれた記事が、興味深い視点で良くまとまっています。下に貼り付けたリンクの上段が記事があるサイトですが、そちらが見られなくなった場合は下段のリンクから記事のスクショを御覧ください。

面白いですよ。

五輪開催「普通はない」発言が物議 尾身会長の「慎重な物言い」を海外メディアが「誤訳」?(井津川倫子)(6月4日JCASTのサイト)

五輪開催「普通はない」発言が物議 尾身会長の「慎重な物言い」を海外メディアが「誤訳」?(井津川倫子)(6月4日JCASTの記事画像)

 

新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長のここ数日の一連の発言は結構重大な発言で、国内外に大きく取り上げられています。これを機に、もっと開催の是非に関する議論を行って欲しいものです。

 

如何でしたか?

今回は、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長のここ数日の発言を振り返りつつ、国内外の反応をまとめ、「”尾身の乱”続報、国内のみならず海外からも注目される…という話」と題して記事を書きました。

国民の安全安心を蔑ろにして、五輪を優先するのは可怪しいと思います。一日もはやく聖火リレー・五輪・パラリンピック東京大会を中止し、税金をこれ以上無駄に使い込むのを止めて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって困窮している人々を救うことを最優先して欲しいものです。

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