こんばんは
管理人の彰篠宮です。
今回は、五輪・パラリンピック東京大会のPV会場の設営準備のために、5月24〜26日に行われた代々木公園の樹木剪定作業についてあれこれ書きたいと思います。
五輪・パラリンピック東京大会で準備されるPV施設とは
五輪・パラリンピック東京大会の期間中、競技施設に出向かなくても大型ビジョン等により競技の生中継を観戦出来る場所があります。それが
- 東京2020ライブサイト(東京都内2箇所、岩手県、宮城県、福島県、熊本県で開催予定)
- パブリックビューイング(東京都内4箇所)
- コミュニティライブサイト(5月26日現在未発表)
で、いずれも入場無料で利用出来ます。
し、大会の感動と興奮を共有できる場所です。入場無料で楽しむことができます。
適切な感染症対策を行った上で、都内及び被災地の複数の会場で実施されます。
東京2020ライブサイト
拠点会場:都立代々木公園・都立井の頭恩賜公園
地方会場:盛岡城跡公園 多目的広場(岩手県)、JR盛岡駅前 滝の広場(岩手県)、勾当台公園(宮城県)、鶴ケ城公園(福島県)、アクアマリンパーク(福島県)、熊本城ホール(熊本県)
これらは、十分な広さがあり、会場内や周辺で適切な人流コントロールが可能な場所だそうです。必要な感染症対策を行うとされています。
当初はこの場所で、競技中継・競技体験・ステージイベント・文化等主催者展示・東京2020大会公式ライセンス商品販売・飲食売店・大会パートナー出展等を実施することが予定されていましたが、5月26日時点で実施予定のコンテンツは不明です。
パブリックビューイング
都内4箇所:都立日比谷公園、都立上野恩賜公園、東京都立大学 南大沢キャンパス周辺【講堂内】、調布駅前広場周辺【調布市グリーンホール内】
その他盛り上げエリア:オリンピックプロムナード、豊島区と連携して文化の拠点として盛り上げるエリア、開催都市の拠点として都庁を中心に盛り上げるエリア
豊島区に関しては、
池袋西口公園 感染症対策上、安全な規模と運営を確保するため、豊島区と協議の上、区を中心 とした実施形態に転換。会場周辺は、引き続き区と連携して、東京芸術劇場を擁す る文化の拠点として盛り上げるエリアに位置付け
都庁に関しては、
東京都庁舎 入場規模を抑制せざるを得ない屋内での競技中継は見合わせるが、都庁舎内での マスコットフォトスポットや大会関係展示、ライトアップ等を計画通り実施。周辺地域のシティドレッシングとともに、開催都市の拠点にふさわしい祝祭感を演出し、 盛り上げるエリアと位置付け
とされています。
コミュニティライブサイト
コミュニティライブサイトについては、5月27日現時点では東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の東京都ポータルサイトに詳細は発表されておりません。
大会期間中、日本各地の市町村主催の身近な場所で、競技の生中継を観戦できる事を目的とした入場無料の施設が予定されています。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 東京都ポータルサイト ライブサイト・パブリックビューイング
5月24日から、代々木公園で設置準備作業開始
五輪東京大会の開催予定日まで60日を切っており、東京都はライブサイト会場の設置をこれ以上先延ばしにすることは難しいとして、6月1日開始予定の工事ののための準備作業を5月24日から代々木公園で始め、公園内の木々の剪定を行っています。
ところで、この会場は代々木公園内の約3万5千㎡のエリアに巨大スクリーンや飲食店・売店などが設営され、35,000人/日の来場者を想定しています。以下の画像は元々の計画案に掲載されていた代々木公園のライブサイト会場の図です。実際は人数制限をするなどの観戦対策をとって実施すると発表されています。
東京都はこの施設を含むライブサイト・パブリックビューイングの目的を
「都民や国民の共感を得て、大会を成功させること」
としていますが、様々な世論調査で「中止・再延期」が6割を占めている状況で、ライブサイトのための工事が進み、都民など憩いの場所である代々木公園の木の枝が切られ、共感よりむしろ反発が広まっています。
さらに、一方で人流抑制のため、不要不急の外出自粛を求め、デパートや映画館の企業活動を制約し、他方で五輪のパブリックビューイングで多勢の人を集めるようと計画・推進することの矛盾に疑問を呈したり、批判する声が多数上がっています。
たった数週間の期間行われる五輪・パラリンピック東京大会のために、新型コロナウイルス感染症が蔓延している今、都心の貴重な自然を破壊して人が集まる施設を何故作らねばならないのか、東京都や組織委員会は、きちんと説明する必要があると考えます。
工事を始めた東京都は、この作業に関し以下の様に説明しています。
「枝を切っても樹木の生育に影響しないよう、造園業者の意見を聞き、必要最小限にとどめている」
また、組織委の橋本聖子会長は都内で取材に応じ、代々木公園の樹木剪定作業について問われ、以下の意見を述べています。
「コロナ禍だからこそ多くの皆さまの意見を聞く必要がある。理解いただける対策も必要だと考える」
これでは、何も答えていないのと同じですね。
代々木公園での剪定対象の木は36本。地面から8m以下の枝を切る木と4m以下の枝を切る木とがあります。一度切った枝は、五輪・パラリンピックが終わっても戻せるワケではなく、その回復にはかなりの長期間を要します。「皆さまの意見を聞く」なら剪定作業を行う前にしなくては全く意味がありません。
こうした東京都の工事開始強行に対し、オンライン署名「代々木公園の自然を破壊する、東京五輪2020ライブサイト計画の中止を求めます」が行われており、5月27日2時時点で9万3,700人が賛同し、計画撤回を求める声が集まっています。
オンライン署名はこちらです。↓
「代々木公園の自然を破壊する、東京五輪2020ライブサイト計画の中止を求めます」
<各社報道>
「自然破壊」と批判殺到。代々木公園で東京五輪関連会場建設へ、樹木の剪定作業が始まる。(5月24日ハフポスト)
【緊急インタビュー】 「コロナ禍に代々木公園の木を切ってイベント会場を作る必要はない」署名を呼びかけた発起人の訴え(5月24日クーリエ・ジャポン)
オリ・パラ期間中パブリックビューイング会場設置に批判高まる(5月26日日刊スポーツ)
橋本聖子会長 PV会場樹木剪定作業「皆さまの意見を聞く必要がある」(5月26日日刊スポーツ)
【東京五輪】代々木公園にPV設置計画 3万5,000人来場予想に「国民犠牲の実験場」(5月26日東スポWeb)
尾身氏、五輪での人流増加に懸念 「しっかりと考えて」(5月26日朝日新聞)
<批判>
代々木公園で五輪PV準備…医療専門家は「論外です」(5月26日デイリースポーツ)
二木芳人教授、東京五輪開催時の代々木公園でのイベント集客に…「もう論外です」(5月26日スポーツ報知)
江川紹子氏 五輪パブリックビューイング会場設営に疑問「五輪のために密を推奨…ありえない!!」(5月26日スポニチアネックス)
都立井の頭恩賜公園のライブサイト計画当初案
こちらの会場は井の頭恩賜公園内の約9千㎡のエリアに巨大スクリーンや飲食店・売店などが設営され、20,000人/日の来場者を想定しています。以下の画像は元々の計画案に掲載されていた井の頭恩賜公園のライブサイト会場の図です。
この他の当初予定施設も下に添付するPDFで見られます。
代々木公園の樹木剪定作業は5月24〜26日予定であったので、既に完了していると思われます。たった数週間のオリンピックの為に、長年かけて育ってきた樹木が無残に剪定されることに憤りを覚えます。
諦めずに、五輪を中止させ、税金の無駄な出費を少しでも減らすべく頑張りましょう。
如何でしたか?
今回は5月24〜26日にかけて行われた代々木公園の樹木剪定作業について「感染防止より観戦優先。悪夢のPV会場建設。これまた日本国民の払う”犠牲”の一つ…という話。」と題して記事を書きました。ちなみに、このライブサイト・パブリックビューイングに関わる事業を落札したのは…
電通
です。またもや、この極悪企業が五輪にたかって甘い汁をすすっている構図が見えてしまいました。